House NI
古いモノのもつ価値をまちに示す
敷地は周囲で開発が進む市街化調整区域にある。古いものが廃棄され風景が塗り替えられていく中で、単に残すでもなく更新する訳でもない、長時間そこにあったものが有するエスプリの最大化をもって、都市のスクラップアンドビルトに対する1つの解を提示する。
本計画では、既存の木造平屋住宅がもつ1階・天井空間・境界(天井面)の関係性の読み替えを行った。具体的には、既存住宅の軸組だけを残して部分解体した後、柱間に新設梁を挿入し、耐震補強を兼ねた水平面を形成した。それにより、プライバシーの保たれた1階・明るく開放された天井空間・上下をつなぐ境界(天井面)を新たにつくり出した。
天井空間は、新たな境界(床)と既存の屋根・梁組みの関係性によって成立する。そこに具体的な部屋名は無く、柔軟に振舞うことが可能であり、1階では収まりきらない生活の補填を担う。また、四周を開口とすることで光と風を1階へ届ける。過去に閉じられていた暗くて大きな天井空間が町に開かれ、住人と町との適度な距離感を生むと共に、町並みの一部となり古いモノの価値を町に問いかける。
1階には施主の要望であるプライバシーの保たれた個室を配置している。境界(天井)の開口により内外のつながりや通風、採光等を生み、1階の住環境を補填している。
所在地
愛知県
用途
住宅(リノベーション)
敷地面積
453.97 m²
延床面積
174.43 m²
構造形式
木造
構造設計
寺戸巽海構造計画工房
施工
平田建築
敷地は周囲で開発が進む市街化調整区域にある。古いものが廃棄され風景が塗り替えられていく中で、単に残すでもなく更新する訳でもない、長時間そこにあったものが有するエスプリの最大化をもって、都市のスクラップアンドビルトに対する1つの解を提示する。
本計画では、既存の木造平屋住宅がもつ1階・天井空間・境界(天井面)の関係性の読み替えを行った。具体的には、既存住宅の軸組だけを残して部分解体した後、柱間に新設梁を挿入し、耐震補強を兼ねた水平面を形成した。それにより、プライバシーの保たれた1階・明るく開放された天井空間・上下をつなぐ境界(天井面)を新たにつくり出した。
天井空間は、新たな境界(床)と既存の屋根・梁組みの関係性によって成立する。そこに具体的な部屋名は無く、柔軟に振舞うことが可能であり、1階では収まりきらない生活の補填を担う。また、四周を開口とすることで光と風を1階へ届ける。過去に閉じられていた暗くて大きな天井空間が町に開かれ、住人と町との適度な距離感を生むと共に、町並みの一部となり古いモノの価値を町に問いかける。
1階には施主の要望であるプライバシーの保たれた個室を配置している。境界(天井)の開口により内外のつながりや通風、採光等を生み、1階の住環境を補填している。
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工事前の建物
工事前の建物
解体の様子