House SM
まちに向けた4枚の壁をもつ住宅
敷地は愛知県刈谷市に位置し、市内には自動車関連企業が多く存在する。敷地周辺は準工業地域に定められ、古くからある企業の工場と、多くの住宅が混在していた。そんな画一的ではなく、大きなスケールと小さなスケールがばらばらと形成するまち並みに適応した住宅を計画する。
敷地の東から南西にかけて広い駐車場に囲まれており、人と大型車の往来が多い。ここは企業の所有地であり、将来工場などの大きな建物が建つ可能性も十分考えられる。そのため、特定の面をメインファサードとするような建ち方にリスクと違和感を覚えた。隣接する周辺環境に設計根拠を求める建ち方よりも、混在するまちのスケールに態度を変えずに向き合う方が適切であるように思われた。
敷地の東から南西にかけて広い駐車場に囲まれており、人と大型車の往来が多い。ここは企業の所有地であり、将来工場などの大きな建物が建つ可能性も十分考えられる。そのため、特定の面をメインファサードとするような建ち方にリスクと違和感を覚えた。隣接する周辺環境に設計根拠を求める建ち方よりも、混在するまちのスケールに態度を変えずに向き合う方が適切であるように思われた。
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所在地
愛知県刈谷市
用途
住宅
敷地面積
367.69 m²
延床面積
92.75 m²
構造形式
木造
構造設計
小松宏年構造設計事務所
施工
豊中建設
敷地は愛知県刈谷市に位置し、市内には自動車関連企業が多く存在する。敷地周辺は準工業地域に定められ、古くからある企業の工場と、多くの住宅が混在していた。そんな画一的ではなく、大きなスケールと小さなスケールがばらばらと形成するまち並みに適応した住宅を計画する。
敷地の東から南西にかけて広い駐車場に囲まれており、人と大型車の往来が多い。ここは企業の所有地であり、将来工場などの大きな建物が建つ可能性も十分考えられる。そのため、特定の面をメインファサードとするような建ち方にリスクと違和感を覚えた。隣接する周辺環境に設計根拠を求める建ち方よりも、混在するまちのスケールに態度を変えずに向き合う方が適切であるように思われた。
そこでまず、敷地中央に4本の境界線と呼応するように4枚の壁を並べ、同一ファサードと正方形の内部を計画する。工場や住宅の要素を排除した長く大きな壁を、周辺の大きなスケールと小さな家のスケールをつなぐエレメントと位置付ける。さらに、4枚の壁を呼応する境界線と角度を付けて少しだけずれ合うように配置することで、周辺環境の変化に適応する余白を計画した。
内部は、全ての部屋が4枚の壁に接するようにロの字型に配置され、中央に中庭を設けている。太陽の動きに合わせて、4枚の壁の隙間と中庭から、強弱を変えながら光が入る。中庭は、周辺環境の影響を受けずに内部に明かりを導くとともに、内部の求心性と連続性を高め、隣接するスペース同士が互いにつながり/距離をとるための役割を担っている。
建物は、それ自身や敷地に表裏をつくり、それらがまち並みに蓄積される。通り沿いには華やかな表が並び、その背後には裏と裏が重なり合う陰湿な裏の空間が隠されている。こうしたまちの方向性は道路や隣家の在り方から連鎖的に出来上がるが、本計画ではそれらに小さなずれと余白を与えた。スケールが混在するまち並みの中で、その変化に一喜一憂しない建築のあり方が、この地域で豊かな暮らしを紡いでいくことに繋がると考える。
敷地の東から南西にかけて広い駐車場に囲まれており、人と大型車の往来が多い。ここは企業の所有地であり、将来工場などの大きな建物が建つ可能性も十分考えられる。そのため、特定の面をメインファサードとするような建ち方にリスクと違和感を覚えた。隣接する周辺環境に設計根拠を求める建ち方よりも、混在するまちのスケールに態度を変えずに向き合う方が適切であるように思われた。
そこでまず、敷地中央に4本の境界線と呼応するように4枚の壁を並べ、同一ファサードと正方形の内部を計画する。工場や住宅の要素を排除した長く大きな壁を、周辺の大きなスケールと小さな家のスケールをつなぐエレメントと位置付ける。さらに、4枚の壁を呼応する境界線と角度を付けて少しだけずれ合うように配置することで、周辺環境の変化に適応する余白を計画した。
内部は、全ての部屋が4枚の壁に接するようにロの字型に配置され、中央に中庭を設けている。太陽の動きに合わせて、4枚の壁の隙間と中庭から、強弱を変えながら光が入る。中庭は、周辺環境の影響を受けずに内部に明かりを導くとともに、内部の求心性と連続性を高め、隣接するスペース同士が互いにつながり/距離をとるための役割を担っている。
建物は、それ自身や敷地に表裏をつくり、それらがまち並みに蓄積される。通り沿いには華やかな表が並び、その背後には裏と裏が重なり合う陰湿な裏の空間が隠されている。こうしたまちの方向性は道路や隣家の在り方から連鎖的に出来上がるが、本計画ではそれらに小さなずれと余白を与えた。スケールが混在するまち並みの中で、その変化に一喜一憂しない建築のあり方が、この地域で豊かな暮らしを紡いでいくことに繋がると考える。
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